夏休み明けの不安と不登校｜子どもの心を理解する方法

毎年、子どもたちにとって最も長い休みは夏休みです。かつては8月31日までというのが一般的でしたが、現在では授業時間確保のため、全国的に8月下旬には2学期が始まります。特に北海道では昔から学校開始が早めでした。長期休暇の間、親としては昼食作りの負担が減るという利点もありますが、子どもたちにとっては「休み明けの集団生活」が大きな不安となる場合があります。

長期休暇がもたらす功罪

コロナ禍以降、子どもたちは少人数や自由な学びに慣れてきました。しかし、夏休み後には運動会や文化祭など、再び集団で協力する場面が待っています。長い休みはリフレッシュの一方で、こうした集団生活への不安を増幅させることがあります。

生存本能としての不安

人間の脳は、生物として身を守るための本能的なプログラムが備わっています。未知の状況には自然に「不安」を抱き、警戒する仕組みです。夏休みで学校に行かなかった期間が長いほど、子どもたちの頭の中には不安が渦巻くことも珍しくありません。実際、年間を通じて不登校や学校でのトラブルが増えるのは、夏休み明けの時期だと多くの調査が示しています。

不登校は自然な反応

夏休み終了前の「学校に行きたくない」という気持ちは、生物として正常な防御反応です。朝の腹痛や体調不良も、原始的な脳が無意識に戦闘態勢を取る結果と考えられます。こうした反応を「ただのサボり」と判断するのは誤りです。

親の不安との向き合い方

親自身も、子どもと同じように「不安」を感じ、体や気持ちが揺れます。その際、無理に登校させるのではなく、子どもと一緒に学校や地域を見て、安心できるポイントを言語化することが大切です。また、学校で楽しかったことを思い出させて言語化させることで、感覚脳に具体的情報を与え、不安を和らげることができます。

不安解消の具体策

• 数日前から学校での楽しかった出来事を一緒に話す
• 親だけでも学校や地域を見に行き、安心できる場所を確認する
• 不安や恐怖の対象を明確にし、体や脳の過剰反応を抑える

こうした方法で、子どもも親も安心して夏休み明けの学校生活に臨むことができます。