教育公務員特例法を知って勉強してる先生のいる学校に行きたい

Seminor Woman 働き方改革
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教員は仕事してるよ

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 日頃、勤務時間の中に収まらない仕事をしていて、授業準備の時間なんて、もともと5分程度しか勤務時間内に与えられていない、教員の皆さん。待ちに待った、夏の「子どもの」夏休みですね。世間は、先生も夏休みだと勘違いしていますがね。
 休みなのは生徒だけで、先生は出勤です。学生時代の仲間でさえ、「夏休みがあるんだから我慢しろ」とか、「甘えてるなよ、先生」なんてわかってない言葉を投げかけてきます。普段の苦労がなかなか報われないですね。

年休はここしか使えない

 さて、夏休みですから、生徒は基本はいません。普段使えない年休(世間一般で言う有給)を存分に使ってもらうのは良いことです。ただ、昨今のコロナ禍で、いつ調子が悪くなって年休を使わなければならない事態になるかもしれません。親切心として、少しは年休を残しておかれた方が良いかな、とも思います。新型コロナウィルス感染症に罹患したり濃厚接触者になれば、「病気休暇」が取得できるのですが、予後が良くないので、その後に使うことになると思うのです。コロナ後遺症は、ドクターでも症例が少なく確定診断や投薬による積極的治療は難しいようです。

バージョンアップ

 充分休みを取ってリフレッシュしたら、バージョンアップも少しやりましょう。教員はとにかく忙しい。まさに「忙殺」されています。学校の中だけで人生が完結する感じ。しかし、閉じた世界の中で過ごしていては、時代遅れの「老害」まっしぐらです。なにせ、大学を卒業して約50年間も学校の中にいるのですから。若いうちは古い考えの先輩にうるさく言われて反発しているだけでも良かったかもしれないけど、積極的に新しいことを吸収していかないと、気づいたときにはいつの間にか自分自身が古い考えの先輩「老害」になりかねません。若いときの苦労を活かすためには、新しい感覚を身につけて自分を時代に合わせて進化させることも大切な研修です。都合のいいことに、教員には「教育公務員特例法」というのがあり、「研修に努めなければならない」とされています。

教育公務員特例法

第21条 教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。

教員試験の前に、こんなこと勉強したかも。でも、そんな時間、ありませんよね。そして、夏休みくらい休ませろよ!なんて声が聞こえてきそうです。そう、だから充分に休んでください。そして、与えられた研修はなるべく避ける。自分がやりたいと思ってもいないものは、大人では特に、頭に入って来にくい物です。それは当然のこと。だから、あなたが一生を考えたときに、時間のある今、勉強してみたいな、って思ったことで、いいんです。時間は、会社員よりはあると思いますよ。ただ、教育委員会がいろいろ悉皆の研修を強制してくるのは、教育公務員特例法の次の文章の為です。

教育公務員の任命権者は、教育公務員の研修について、それに要する施設、研修を奨励するための方途その他研修に関する計画を樹立し、その実施に努めなければならない。

自分の学びたいことぐらい、自由に選ばせろよ、て感じですよね。ただ、これが制定されたときは、生涯学習なんて理念は世の中に一般的ではないので学習機会がありませんでした。また、全国の自治体を見渡せば、放任主義だった自治体も少なくありませんでした。今でも、報道によれば昭和のような自治体が存在するようですね。だから、個人の費用でなく、自治体が費用を捻出して研修機会を保証しなさいと言うことなんです。ちなみに、私は、官製研修にはまったく魅力を感じていません。それはまた別に機会に…。

第22条 教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。

夏休みに、年休を使わずとも研修に行くことができる根拠が、この条文。官製研修なら出張扱いですね。多くの自治体が公共交通機関で往復する交通費も出してくれるでしょう。自分で選んだ外部の研修だと、いろいろ手続きを踏まなければなりませんが、大抵、土日に実施してくれる物が多いので、休まなくても大丈夫な場合が多いです。
そして、夏休みに行った方がいい理由は次の通り。

教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。

つまり、授業を休んで外部の魅力ある研修には、基本的には行かれないのです。もちろん、官製研修だって、本属長つまり在籍校の学校長の許可がなければ行かれないのです。研修に当然のように行っている先生方がいますが、校長先生ができた方か、気が弱いだけです。ちなみに、「年休」を取れば違法行為以外は何してようと関係ないのですが、「年休」とって研修するのは、何か損した気分になります。私も、やったこともありますけど…。

教育公務員は、任命権者の定めるところにより、現職のままで、長期にわたる研修を受けることができる。

大学院などの研究生だったり、企業への長期派遣研修ですね。建前で面接や試験が実施されますが、どうも出来レースが多いようです。上からの一本釣り、つまり推薦がなければ行かれないことが殆どです。感覚としては教員以外の所からの推薦も必要なようです。大きな組織の研修なら、なおさらです。また、大学院派遣研修などは、忙しい教頭先生だと通知文を先生方に周知しないこともありますから、希望があれば必ずしつこく所属の校長・教頭に言っておくことをおすすめします。

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