入学式に行きたくないのは当然の感覚
学校に行くことが嫌で、入学式を迎えることに対して不安や恐怖心
を感じる人は多いでしょう。このような心理が生じる理由は、様々な心理学的な理論や研究から解明されています。研究されていると言うことはそのような感覚を抱くのは自然なことで、一般に多くの人がそのような状態になる、当然の心理なのです。
入学式に行きたくない気持ちの分析
【学校に行きたくない理由】
様々な説がありますが、一番大きいのは「不安」＝「原因がなんだかわからないけど危険な予感がするので自分を守るために拒否してる」と言うことだと思われます。手足が冷たくなっていませんか？おなかが痛くなっていませんか？もし、病気でないならば、これらは自然なことです。自然界において人間はひ弱な動物です。肉食動物の危険から身を守るため、何か怪しい匂いがしたときは、体が自動的に反応します。言語が発明される遙か昔から体に備わっている本能です。これが今も私たちには残っているので、例えば、何か嫌な思いをしたのと共通していることを見つけてしまったとき、記憶が重なって自動的に拒否反応と戦闘態勢をとります。体が戦闘態勢になると、エネルギーを戦いに集中させるために自動的に体が変化します。「流血を防ぐため毛細血管が収縮する＝手足が冷たくなる」、「おなかが痛くなる＝消化器官を一時的に停止させ、血液を筋肉に集中させる」など、様々な変化が起こります。学問的には次のようなことが挙げられます。
- 分離不安 学校に行きたくないという心理には、分離不安という現象が関係していることがあります。子どもたちは、親から引き離された場合に不安を感じ、安心感を求めます。そのため、学校に通うことで自宅から離れることが多く、不安を感じることがあるとされています。
- 学校環境への不安 学校環境に対する不安感も、学校に行きたくないという心理に関連しています。新しい環境や新しい人々に対して、不安感を抱くことは自然なことであり、それに対するストレスや緊張感が、学校に行くことに対するモチベーションを低下させること
があるとされています。 - 社会不安 また、学校に行きたくないという心理には、社会不安という現象が関連していることがあります。学校は社会の一部であり、学校での人間関係や競争、規律に対するストレスが、社会的な不安感を生じさせることがあります。
入学式や学校に行きたくないときには
入学式や学校に行きたくない気持ちが大きいときには、そこに参加しないことよりも、「そこに参加できないほど不安な気持ちを抱いているけど原因がよくわからない」ことに優先的な対処をする方が、本人のためにプラスになることが多いようです。
【心理学的な対処法】
- カウンセリング 学校に行きたくないという心理に苦しむ人は、カウンセリングを受けることで、ストレスや不安感を軽減することができます。カウンセリングにより、自己肯定感を高めたり、適切なストレスマネジメント法を学んだりすることで、学校に行くことに対する心理的な抵抗感を減らすことができます。
- 認知行動療法 認知行動療法は、認知や行動を変えることで、不安や恐怖感を軽減する治療法です。学校に行くことに対する恐怖感を軽減するためには、自分がどのような思考や行動をとっているかを客観的に見つめ、それを改善することが必要です。例えば、学校に行く前に必ず具合が悪くなる、失敗するのではないかと心配するなど、不適切な思考を持っている場合には、それを修正することが大切です。
- 心理教育プログラム 心理教育プログラムは、学校で実施される心理的なサポートの一つであり、学生たちにストレスや不安感を軽減するための方法を教えることを目的としています。このようなプログラムには、ストレス管理や認知行動療法の方法を教えるものや、コミュニケーション能力や人間関係を構築するための技術を教えるものなどがあります。
- ストレス軽減の取り組み 学校はストレスの多い環境であるため、ストレスを軽減する取り組みが必要です。学校では、ストレスを軽減するためのプログラムや施設が用意されている場合があります。例えば、リラクゼーションや瞑想を行うためのスペースがあったり、運動やスポーツを行うことでストレスを発散することができる場所があったりすることがあります。
入学式や学校に行きたくないとき、何をすればいいのか
学校に行きたくないという心理は、分離不安や学校環境への不安感、
社会不安といった心理的な現象が原因とされています。このような心理に苦しんでいる人に対しては、カウンセリングや認知行動療法、心理教育プログラムなどの心理的なサポートが有効な場合も多いようです。また、学校も、ストレス軽減のための取り組みが必要であり、子どもたちがストレスを感じる原因を適切に取り除くよう務めることが大切です。
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